管理番号 | 分野 | 研究テーマ |
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R06-01 | 地学 | 星と気象の関係
要約夜空を見上げ,星を見ると,日々星の明るさが変わっているように感じる。その理由として,その時の気象が大きく関係しているのではないかと考えた。本研究では気象を気温,水蒸気量,風速の三つに絞り,それらの気象と星の明るさがどのように関係しているのかを調べることにした。また,それぞれの気象の影響力の大きさについても調べる。 |
R06-02 | 物理 | 吹き矢の精度に関する研究
要約吹き矢は古来から世界各地で狩猟具として利用され,今日ではスポーツとして幅広い年代に愛されている。私たちはそんな吹き矢に興味を持った。しかし吹き矢に関する文献は少なく,公式大会で使われている吹き矢にはまだ改善の余地が残されていると考えた。そこで吹き矢の重心や吹き矢後端部のスポンジの有無,矢を射出する際の吹き矢の向きを変化させ実験を行った。結果は重心率0.40程度での精度が最も高く,スポンジがあることで精度が向上し,矢詰まりが解消されることが分かった。また矢を射出する際の向きを統一することでも精度を向上できることが分かった。 |
R06-03 | 物理 | 体育館の床の滑りに関する研究
要約体育館での運動時,雨の日など湿度の高い日は滑りにくいと感じた。一般的な経験則として湿度が高いと靴が滑りにくくなり,パフォーマンスが向上するといわれている。この原因として,湿度が高い日は空気中の水分量が普段より多いことが影響しているのではないかと考えられている。空気中の水蒸気は表面張力によって凝着力,つまり物体をくっつける力を持っている。湿度が高い日は靴と床の凝着力が大きくなり摩擦力が大きくなっていると考えられている。そこで私たちは,体育館において最も滑りにくくなる空気中の水分量を調べることにした。本研究では,体育館で運動する際によく使用される体育館シューズと,本校旧体育館解体時にいただいた体育館の床を使用して実験を行い,二物体間の静止摩擦力の大きさが空気中の水分量によってどのように変化していくのかを調査していく。 |
R06-04 | 生物 | 獣毛の構造と手触りの関係についての研究
要約私たちは,動物の毛の手触りの違いやその違いを決定づける要因について興味を持ち,研究を行いたいと考えた。先行研究を調べると,手触りの差を生む要因は,主に毛髪1本の物理的特性によるものであり,力学的な解析により手触りを評価することができると分かった。そこで,私たちは手触りの中でもコシ感に着目し,コシ感を生みだす物理的特性と獣毛の縦断面構造の関係について研究を行った。この研究により,最終的には本物の獣毛に似た手触りの合成繊維の開発などにつながるようなデータを得ることを目標に,研究を進めた。 |
R06-05 | 物理 | パーフェクトジェンガを達成させるための方法
要約私たちは,友達と「ジェンガ」という木製のブロックのタワーからブロックを一つ抜いて,最上段に積み上げていくテーブルゲームをしている中で,絶対に負けたくないと思い,ジェンガについての研究を進めようと思った。その中で「パーフェクトジェンガ」(以下「PJ」とする)という各段のブロックを必ず1個以上抜いた状態があることを知った。各段から必ず2個のブロックを抜いた状態を「真のPJ」と定義し,(真のPJを達成した状態)=(最大数のブロックを抜いた状態),つまり,絶対に負けないことになると考え,その状態を目指すことにした。そこで,私たちは,真のPJを達成するためにジェンガを配置,抜く順番,抜き方,置き方という4つの要素に分け,それぞれの要素ごとに最善の方法を考えることとした。 |
R06-06 | 化学 | 植物の持つ洗浄効果 ~髪の毛の清潔さを保つためには~
要約私たちは髪の毛について興味があることに加え,現在の日本では様々な災害が起こっていることから,シャンプーが手に入らない時であっても髪の毛の清潔さを保てるようにしたいと考えた。江戸時代ごろの日本では,髪の毛を洗うものとして米のとぎ汁が利用されていた。またジャガイモやツバキ,オリーブなどの植物はサポニンという水に溶かし混ぜると石けんのような泡を作り,一定の洗浄効果があるとされている天然の界面活性剤を持っていることが先行研究から分かっている。そこで,これらのうちどの植物にどれくらいサポニンが含まれていて,髪の毛を洗うことに最も適しているのか調べることを目的として研究を行った。実験を行うにあたって,私たちは汚れを髪に付着したものと頭皮に付着したものと定義した。 |
R06-07 | 数学 | 一筆書きできる図形の考察
要約一筆書きできる図形は,スマホのロック画面のパターン解除や除雪車のルートの作成など日常生活でも幅広く活用されている。特に私たちにとって身近である,スマホのパターン解除では点の個数が3×3の正方形の配置をしたものが主流となっているが,どのようなパターンを設定すればより,解除されにくいのか疑問に感じた。そこで本研究では点の個数や辺の本数を任意の値としたときに,一筆書きできる図形が何種類作図できるのかを考察することを目的としている。そのために一筆書きできる図形がもつ性質についての考察を行った。 |
R06-08 | 化学 | うどんのゆで汁のろ過 ~食品廃棄物から作った炭を用いて~
要約うどんのゆで汁は多くのデンプンを含んでおり、排水される際に様々な環境問題を引き起こしている。そこで、本研究では、うどんのゆで汁の浄化を目的とし、炭によるデンプンのろ過を行った。また、炭を食品廃棄物から自作することで廃棄物の有効活用も目指した。本実験では、うどんのゆで汁は中力粉水溶液で代替した。また、どれだけろ過できたかを示す指標をろ過率と定義してCOD測定によって求めた。その結果、糊化していないデンプンは炭で吸着することができたが、糊化デンプン(ゆで汁中と同じ状態)はろ過率が数%程度と低く、炭で吸着することは不可能であることが分かった。また、糊化していないデンプンの吸着においては、炭の材料別にろ過率に差が見られた。炭やデンプンの状態などの違いを考慮すると、炭によるデンプンの吸着においては表面の化学的な極性と炭の比表面積の大きさが関係していると考えられる。現段階では、目的であるうどんのゆで汁の浄化を炭でのろ過で行うことは難しいと言える。今後、炭と水溶液の相対的な量やデンプンの老化現象などに着目して更なる実験を重ねることで可能性を見出したい。 |
R06-09 | 生物 | 納豆菌がオリーブに与える影響
要約野菜や果樹などの植物栽培において農薬が使用される場合があるが,その使用量が多くなるほど,環境汚染や生態系の崩壊に繋がる危険性も高まる。しかし,人口が増加し続ける現代社会において食糧問題の解決のためにも,効率よく多くの野菜や果樹を栽培できることは人類にとって最重要課題とも言えるのではないだろうか。さらにその方法が人体や自然環境に対する影響が少ないものならばなお良いのではと考えた。そこで,農薬を使用せずに植物を栽培する方法を模索し,上記のような問題の解決の一助となればと考えて,本研究を行った。 |
R06-10 | 物理 | 捕球率を表す式の作成 ~その球捕るか避けるか,ドッジなんだい~
要約ドッジボールにおいて,球を捕るべきか避けるべきかの判断材料となる式を作ることを目的とした。球技における実験の変数の中で,球の位置,球速に着目し,捕球との関係を調べるために投球実験を行った。結果分析により球の位置,球速は捕球に影響することが分かったため,それらを説明変数として,ロジスティック回帰分析を行い,捕球できる確率を求める式を作成した。作成した式が何を意味するのかを調べ,考察するためにヒートマップで式を可視化した。ヒートマップから,球速が大きくなると捕球できる範囲が狭くなっていることが確認できた。 |
R06-11 | 数学 | 仮想地形のプローシャル生成
要約架空の地形はゲームや都市計画など様々な分野において利用されている。加えて,近年の仮想現実(Virtual Reality)への注目から今後もその需要は高まっていくと予想される。しかし,デザイナーが一から地形を作るには多大な時間と労力を要する。そこで現在は,コンピュータによる自動生成を用いて地形生成の負担を軽減している。ゲームでは現実ではありえないような形状の地形が生成されていることがある。我々はこのような問題を解消したいと考えた。本研究では,既存のアルゴリズムを用いて生成した地形の自然らしさ(リアリティー)の評価方法を考えることにより,自然な地形の自動生成の実現を目指す。 |
R06-12 | 物理 | 船を最速にするための条件
要約実際にヨットに乗った時に防水スプレーを船底に塗布することで速度が変わったと感じたことから着想を得て,船の速度に影響を及ぼす形状や船底状態などの様々な条件を見つけることを目的とする。また,新潟県立長岡高校の先行研究「表面状態による摩擦抵抗の変化」から親水性の塗料は摩擦を抑制すること,塗料を注意深く塗装することで表面の粗度は改善されることが分かっている。なお,船と流水の摩擦が大きいほど船の速度は低下することも分かっている。千田哲也の先行研究「船底塗料と摩擦抵抗」から船の抵抗の四大成分は形状に起因する“形状抵抗”,波を生成することで発生する“造波抵抗“,流水との摩擦による“摩擦抵抗”,“空気抵抗”でありそのうち摩擦抵抗が全体の五割を占めることが分かっている。本研究では空気抵抗を除く三つの抵抗について考える。 |
R06-13 | 生物 | 校庭ワカメはバイオミネラリゼーションを行っているのか
要約駐車場や公園・校庭などに生息し,群体の見た目から校庭ワカメと呼ばれているイシクラゲ(Nostoc commune)はシアノバクテリアの一種であり,乾燥に強く窒素固定を行うことができる原核生物である。先行研究1より,Wil V. Srubar Ⅲらがシアノバクテリアの一種で海洋に生息しているSynechococcus属を用いて生きたコンクリートを作製したことを知った。砂とゼラチンを主体とする混合物の中で増殖したSynechococcus属はバイオミネラリゼーションという生物が鉱物を作り出す働きによってCaCO3を生成し,砂粒子同士をつなげるゼラチンの架橋結合の強度を高めている。私たちは身近にあるイシクラゲを用いてコンクリートを作り,そのコンクリート内でイシクラゲがバイオミネラリゼーションを行っているのかの検証を行った。 |
生徒成果物(研究論文)
特別理科コースの生徒が、学校設定科目「Advanced Science(以下、「AS」)」(2年次2単位、3年次1単位)において専門進化型課題研究に取り組んでいます。ASでは、身近な疑問や興味・関心に応じて生徒自身が研究テーマや実験を設定し、およそ1年半にわたりグループ研究を行っています。このページでは、その取り組みの成果(研究論文)を公開しています。
研究論文
- 2024年度(令和6年度)
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- 2023年度(令和5年度)
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管理番号 分野 研究テーマ R05-01 物理 双胴型防波堤による津波被害軽減 要約
津波の波高を減少させる「双胴型防波堤」の水槽実験を行い,津波被害軽減に役立てたいというのが研究の動機である。私たちは双胴型防波堤として底面がひし形の四角柱を模型として作成し,防波堤間の隙間に面している角度と,防波堤の間隔に注目して実験を行った。角度は正三角形となる60度が最適である,防波堤の間隔は広いより狭いほうが波高を減衰できるという仮説を立て,双胴型防波堤の模型を自作し,その模型の角度や間隔による波高の変化を調べた。手動で波を起こし,模型通過前の波高によって場合分けをし,減衰率を比較した。
R05-02 化学 ガラスの汚れと水滴の接触角 要約
私たちは,ガラスに付着する砂のような汚れに着目し,ガラス表面に付着した粒子の大きさや密度は,水滴の接触角にどのような影響を与えるのか疑問に思い,調べることにした。そこで,本研究では,砂と成分的に近く,粒子の大きさにばらつきの少ない研磨材を用いて実験を行った。研磨材の大きさと水滴の接触角の関係,また粒子の密度と水滴の接触角との関係を調べた。これらの実験により,粒子の密度と水滴の接触角は,粒子の大きさが大きいときは負の相関,粒子の大きさが小さいときは正の相関となり,逆の相関を示すことがわかった。
R05-03 生物 ビタミンCが植物に与える影響とその関係性 要約
本研究では,ビタミンⅭには植物にとって発芽を促進させる効果があるのではないか,また発芽率を上げる効果があるのではないかと仮設立てて実験を行った。本実験ではブロッコリースプラウト,カイワレ大根,マスタードスプラウトの3種類のスプラウトを使用した。これらを使用した理由は,短い周期で効率よく実験を複数回行えるからである。スプラウトは通常,種に水を吸水させ,発芽後に暗化条件で成長させる。その後,葉に光を当てて緑化させるという過程を経て出荷される。先行研究より,植物自身に含まれるビタミンCの役割については分かっているが,外からビタミンCを与えた際に植物に与える影響についてはまだ研究がなされていないため,本研究を行った。
R05-04 物理 鉱石ラジオを使った電波発電 要約
私たちは災害や電力不足による停電時にも使用することができる鉱石ラジオに注目し,鉱石ラジオは簡易に作ることのできる電源として利用できるのではないかと考えた。しかし,鉱石ラジオが生み出すことのできる電力はとても低く,通常の状態では小さい音声を聞くことしかできない。そこでアンテナや回路を変化させて電圧を増加しLEDを光らせることを目標に研究を行った。アンテナに巻くエナメル線の巻き数,アンテナの高さ,2つのアンテナ間の距離,回路を変化させて実験を行った。結果は電圧がアンテナの巻き数や地面からの高さに比例して増加し,2つのアンテナ間の距離は150cm以下のときアンテナ自体が生み出す電力が最大になった。
R05-05 化学 液だれ軽減への道 要約
調味料を使うとき,液体が垂れて食事中に小さなストレスを感じる人は多い。この研究は,その小さなストレスを軽減し,快適な日常生活を送るために始めたものである。予備実験を行ったところ,口が薄すぎると液だれしないことが分かったため,まず,液だれする口の厚さを調べた。その結果,油は,どのような厚さの口を使用しても液だれした。一方,水は,1.5㎜より薄い口では,液だれしにくくなった。また,液だれを起こす口では,液体が口の下側を沿うように流れ落ちる現象(これを本研究では巻き込みと定義する)が度々見られた。油と水の結果の違いには表面張力が関係すると考え,それぞれの表面張力を実験によって調べたところ,水の値の方が大きかった。
R05-06 生物 カゼインプラスチックの分解について 要約
牛乳由来のタンパク質から作られるカゼインプラスチックは生分解性をもつことから,プラスチックごみの削減につながると期待されている。しかし現在は,ハンコやボタンなど使用用途が少なく,一般に普及しているとは言い難い。そこで,私たちはカゼインプラスチックの生分解性以外の分解方法について調べることで,新たな場面で使えるようにしたいと考えた。
R05-07 物理 ダイラタント流体の量と衝撃吸収の関係 要約
外部から力を加えると固体的に振る舞うが,力を加えるのをやめると流体的に振る舞うダイラタント流体には衝撃吸収の働きがあり,この現象(ダイラタンシー現象)にとても興味を持った。この流体に関する他の研究を調べてみると,ダイラタンシー現象が起こる条件や溶媒と溶質のより衝撃吸収する組み合わせについては研究されていたが,この流体がどのくらい衝撃吸収するのか実際に数値を測っている研究は見当たらなかった。そこでこの現象と衝撃吸収の関係を数値で示したいと思った。
R05-08 物理 自転車を漕いで手軽に風力発電~通学時のスマートフォンの充電を目指して~ 要約
私たちは風力発電に興味があったのに加えて,普段の生活で自転車を使うことが多いことから,自転車を漕ぐことで受ける風で発電し,通学時にスマートフォンを充電したいと考えた(図1)。そこで,身近な材料や安価なモーターから自転車用の小型の風力発電機を製作して研究を行った。
風力発電機を自作するためには,最適なプロペラ,モーター,回路を考える必要がある。プラペラは作りやすさを重視して多翼型を採用し,大きさは自転車の前かごに収まるように計算して決定した。送風機を用いた実験と理論計算を通して,台形の羽を用いる場合,ピッチ角(回転軸に垂直な面に対する羽の角度)は15度,羽の枚数3枚が最適であると分かった。R05-09 化学 ホコリと静電気 ~静電気は掃除の味方になり得るか~ 要約
たまったホコリや砂を掃除する手法として静電気を用いることが可能か検証した。ここでは,主にホコリの主成分であるアクリル・ウールの繊維と本校グラウンドの砂の質量と引きつける距離の関係に焦点を当てた。結果として,静電気で引きつけることができる距離は小さく,質量に関わらず一定であった。また静電気量が大きくても距離が大きいとは限らなかった。砂は繊維よりも引きつけられにくいことが分かった。以上より,静電気を用いて掃除機のようにホコリや砂を集めることは困難であると結論づけた。
R05-10 数学 片付け最適戦略についての考察 要約
本研究では数理モデルの手法を用いた考察を行うことで,できるだけ片付けをせずに,なおかつ快適に過ごせるような,片付けについての最適戦略を提案する。私たちは,片付けを含めた日々の生活における労力を「生活労力」と定義し,生活労力の時間変動を表すモデルを作成した。得られたモデルから,生活労力は時間とともに増加することが明らかになった。また,得られたモデルを用いて,片付け回数と生活労力の関係を調べた。片付け回数は多すぎても少なすぎても生活労力が大きくなり,最適な片付け回数が存在することが分かった。私たちはよく「出した物はすぐに片づけなさい」と言われてきたが,その戦略が最適ではなかったということを示唆している。
R05-11 生物 納豆菌が植物の病害抑制にもたらす効果 要約
私たちは,植物の免疫を高めることにより,植物病害を抑制できないかという点に着目し,植物の免疫について研究を進めた。その中で,ISR(誘導全身抵抗性)という植物の免疫システムがあることを知り,興味を持って調べてみたところ,ISRは植物の抵抗を働かせる抵抗誘導資材を植物の一部にのみ接種しても,植物全体に抵抗性が表れること,また,根圏細菌によって活性化される免疫システムであることが分かった。そこで,私たちは根圏細菌の中で最も身近な納豆菌に着目し,寒さや害虫に強く育てやすいレモンバームを使用して研究を行った。